子供のインフルエンザ 潜伏期間や発症時の上手な対処法


「隣のクラスでインフルエンザが出ました」「同じクラスでインフルエンザの子がでました」…。親にとってはドキッとする保育士さんの言葉ですよね。小さな子供のいる家庭では、子供が園からインフルエンザウイルスをもらってきて、家庭内で親に感染というパターンも多いと思います。
でもインフルエンザの流行をうかがわせる保育士さんの言葉を聞いた時点、あるいは毎年流行する時期に備えてあらかじめ何か対策しておきたいものですよね。

たしかにインフルエンザは毎年12月~3月あたりに、必ずと言っていいほど流行するので様々な前提知識があると安心です。
そこで今回はインフルエンザの潜伏期間や症状・対策などをまとめてみようと思います。とは言え「インフルエンザウイルスの抗原とは…」なんてことはいろんな病院のホームページに任せるとして、ここでは「子供が保育園・幼稚園からインフルエンザをもらってきたかも…」という状況で役立つことを紹介していこうと思います。
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インフルエンザの一連の流れ
子供がインフルエンザに感染したかも…という可能性を感じた時点から、再び登園するまでの流れを追いながらポイントを紹介していきます。
- 潜伏期間
- 発症
- 回復
- 登園
インフルエンザの潜伏期間
隣のクラスや同じクラスでインフルエンザの子が出たという情報が入ると、保育園や幼稚園の場合あっという間に広がってしまう可能性があります。
そりゃあれだけ身近に接してるうえに子供は無防備ですから、ある意味移らないほうが不思議なぐらいですよね。
で、インフルエンザもウイルス感染による病気なので、潜伏期間があります。インフルエンザの潜伏期間は1~4日と考えておけば問題ありません。
潜伏期間とは、つまり実際に感染してから症状が出始めるまでの期間で、この1~4日というのはとても短いと言えます。
インフルエンザが移る経路
インフルエンザの感染経路は「飛沫感染」と「経口感染」、つまりくしゃみや咳・唾液などで感染します。
子供は気を使って口を手で抑えることはできないので、くしゃみや咳でウイルスが空気中に簡単に放出されてしまい、それを吸いこんだ時点で感染してしまいます。
また、よだれや鼻水のついた手でおもちゃを触り、それをまた別の子が触って感染というのも多いパターンです。
子供自体で感染を防ぐ対策をすることは不可能なので、園でいかにウイルスの対策ができるかがポイント。うがい・手洗いは多くで徹底されているように思いますが、さらに湿度を高く保つなどの対策が重要になります。
とは言え保育園や幼稚園の場合は、ウイルス自体の感染力というより、子供が集まる場所という性質上とても感染しやすい環境であると言えます。
潜伏期間の注意点
最も大事なことは、潜伏期間は後でわかるということです。実は今現在「潜伏期間だ」ということは分かりません。後で感染が確認されてから初めて潜伏期間が分かるのです。なので潜伏期間中に気をつけるということが非常に難しいと言えます。
でもインフルエンザは「潜伏期間でも感染する」という事実があります。ここが流行の最大の原因で、普通は感染が確認されてからじゃないと園を休むことはしませんよね。でも潜伏期間の間も周囲にウイルスをまき散らしていることになります。
この辺りはどうにもできないと言えるかもしれませんよね。発症してないのに休ませるわけにもいきません。
症状が出る
1~4日の潜伏期間を経て、高熱や筋肉の痛みなどの症状が出てきます。保育園や幼稚園から「お熱が出ました」コールがかかり、病院に連れていくことになります。
インフルエンザウイルスは一つ感染しただけでも、8時間後には100個ぐらいまで増え、その後さらに8時間で約1万個、感染から丸1日たった頃には100万個ぐらいに増えています。ウイルスの増殖スペードは他の感染症と比べても格段に速いものと言えます。
ウイルスが100万個を越えると徐々に症状が出始め、悪寒や発熱・節々の痛みが現れます。とは言え子供はそんな中でも元気に遊び回るパワーがあるので、親としてはインフルエンザかどうかの判断はできません。
病院に連れていくタイミング
インフルエンザは先生に診てもらうタイミングがなかなか難しいものです。その理由が次の2点です。
- 検査は発症後12~24時間たたないと正確な結果が分からない
- 抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内に服用しないと効果が低下する
検査は発症後12~24時間たたないと正確な結果が分からない
熱などの症状が出ると、ほとんど親はすぐ病院に連れて行きますよね。でも多くの場合、その時点ではインフルエンザかどうかを検査しても分からないと言えます。
ウイルスの数が検査で測れる量に至ってないと、いくら先生といえども症状だけでは判断できません。周囲の環境などを加味して予想はできますが、断定はできません。
症状が続くようなら再度診せに来て下さいという場合が多いと思います。
抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内に服用しないと効果が低下する
とは言っても、仮にインフルエンザだった場合は発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用しないと効果が下がると言われています。多くの場合「タミフル」「リレンザ」が処方されると思いますが、タミフルなどはとても苦い薬なので子供が嫌がって飲んでくれないこともよくある話です。
そういうことも考えると、インフルエンザなのかただの風邪なのかを早めに知りたいところなんです。1日明けたら時間的に不安になってくるので、園でインフルエンザの子が出たり家族がかかってしまったなどインフルエンザの可能性がありそうな時は、あらかじめ子供がすぐにタミフルを飲める準備をしておくことをお薦めします。
特に初めての子、初めてのインフルエンザの場合は後手に回る可能性が高いので注意が必要。チョコレート味のアイス・イチゴ味のヨーグルトなどは子供が食べやすく、混ぜても味が変わりにくいものと言えます。
苦い薬をゼリーでくるんで飲みやすくするものも売られていますが、アイスやヨーグルトのほうがお薦めです。5日分飲むのが普通なので、1日2回なら計10回飲むことになり、アイスを小分けにするかヨーグルト10個のほうが断然安く済みます。意外と専用のゼリーは高いです。。。
症状が出ている時の注意点
インフルエンザは風邪よりも重い症状になりやすく、子供の体質などによっては40度を超える発熱も珍しくありません。ポイントは「よく飲み」「よく食べ」「よく寝る」ことと「温度・湿度」です。
子供は風の子!
「子供は風の子元気な子」とはよく言ったものです。インフルエンザにかかって39度近い高熱が出てもなお遊びたいのが子供。外出は厳禁ですが、家の中でもあまり走り回るのは体力を消耗するので止めましょう。
インフルエンザの期間だけはできるだけおとなしい遊びで乗り越え、とにかく水分を飲ませて好きなものをいっぱい食べさせることが大事です。
そんな辛い期間ぐらい栄養がどうとか考えることはありません。とにかく食べれる物・好きなものを作って上げて、さらに子供も飲みやすいスポーツドリンクなどを飲ませる必要があります。
温度と湿度に気をつける
親への感染を考えても、温度・湿度に気をつけることが大事。室温は最低20℃以上にし、加湿器で湿度を50~60%になるようコントロールします。そうすればインフルエンザウイルスは生存していくことができません。
体内のウイルスには効果はありませんが、室温20℃以上・湿度50~60%は人間が快適に感じる環境なので、子供の体力を維持することにも役立ちます。
高熱への対応
インフルエンザでは高熱への対応が最も迫られます。39度を超えたあたりから、さすがの「風の子」もグッタリ元気がなくなってきます。そうなると親も心配になってきますよね。
ポイントは解熱剤を使うかどうかの判断が難しいところです。基本は簡単に解熱剤は使わないということ。仮に39度を超えていても、元気に遊んでいて十分な水分補給ができているようなら使う必要はありません。
熱はウイルスに対して体の免疫機能が正常に働いている証拠であり、発想を変えれば歓迎すべきとも言えます。
とは言えさらに上昇し40度前後になると、親としても「解熱剤で下げるべきなのか?」と悩みます。子供も辛くて泣くことが多いでしょう。
この辺は先生に聞いても具体的なことはあまり言ってくれません。やはり個人差がある問題なので、元気なら・水分が摂れているならという曖昧な基準になってしまいます。また、インフルエンザに限らず高熱になりやすい子・なりにくい子がいるので、自分の子供がどのような体質かを考えるのも大事です。
その背景には「熱が上がりすぎると脳に悪影響が出る・後遺症が残る」などという思いがあるからではないでしょうか。実際そのような合併症が起こることもありますが、非常に稀なケースです。簡単に解熱剤で熱を下げてしまっては免疫力の弱い子になってしまう可能性もあるので、親も我慢する努力が必要と言えます。
とは言え40度を超えるような場合は体力がもたなくなってくることもあるので、解熱剤を使うのがいいように感じます。不安な人は先生に基準・線引きのポイントを具体的に教えてほしいと言えばいろいろ教えてくれるはずです。
回復して元気に
3~4日で熱が落ち着くのが一般的です。子供も元気になり、あれだけ苦しそうだったのがウソのように遊びまわることができるようになるでしょう。
とは言えまだ咳や鼻水は出ているはずなので、暖かくして最適な湿度を保つようにしましょう。
タミフルは飲みきる
子供が元気になると、残ったタミフルをどうすべきか悩みますよね。タミフルは強い薬なので、もう熱も下がっているし飲ませなくてもいいんじゃないかと思いがちです。
でもタミフルは処方された分だけしっかり飲みきる必要があります。おそらく5日分処方されると思いますが、仮に子供が元気でも、平熱に下がったとしても飲ませることが大事。
理由は「体内にはまだウイルスがいる」からです。いくら元気になっても実はまだ体内にはウイルスがいて、当然のごとく感染もします。「体調が良くなった=ウイルスがいなくなった」ではなく、ウイルスが減ってきたというわけなんですね。
だからしっかり5日分飲むことで、感染の可能性が低くなるレベルまでウイルスを減らすことができるというわけです。
タミフル自体はウイルスの増殖を防ぐ薬ですが、増えないと同時に免疫がしっかりウイルスをやっつけていくの、どんどんその数が減っていきます。
そして5日分飲むことでおよそウイルスがいなくなるという予測の元で処方されているんですね。
元気でも外出は厳禁
子供が元気になると多少の外出はいいかなと感じるものです。また、子供もずっと家にいるのでストレスがたまってくるでしょう。
でもまだ感染させてしまう可能性もあるので外出はできません。こういうときは多少わがままを聞いてあげて、子供のストレスをなくすことも大事です。
ついに登園!
おそらくインフルエンザと判断されてタミフルを処方された時に、「何曜日までに熱が下がって、何曜日に平熱だったら、次の日から登園していいですよ」といった内容のことを言われるはずです。
インフルエンザのような感染力の強いものは、いかに感染しなくなってから登園するかがとても大事ですよね。
目安は病院に行ってから6日目
ざっくりですが、登園の目安は病院に行ってから6日目ぐらいになるでしょう。もちろん子供の経過しだいですが、子供のインフルエンザは親の仕事にも大きな影響を与えますよね。できれば早めに通勤可能な日を判断したいものです。
3日で熱が下がりその後2日間平熱なら次の日から登園可能ですといった具合でしょう。なのでウイルスへの感染期間は、潜伏期間も含めて約7日~10日ぐらいになります。
久しぶりの登園
久しぶりの登園なので、子供も意外と体力を消耗します。登園できるようになったからって今までと同じに考えず、2~3日は疲れやすいかもという考えでいることが大事。
水分補給を促し、栄養よりもたくさん食べれる献立にし、多少のわがままは目をつぶってあげましょう。また鼻水や咳はけっこう続く場合もあるので、特に冬の場合は湿度を気にしてあげましょう。
まとめ

子供がインフルエンザにかかると、子供ももちろん辛いですが、親にも大きな負担がかかります。特に初めて我が子がインフルエンザにかかった場合、インフルエンザ脳症などが頭をよぎりアタフタしてしまいがちです。
園でインフルの情報が出始めたら、まずはうがい手洗いという基本的な予防策をし、湿度と温度を管理することが大事。さらに、子供の集団生活の場合は感染する可能性が非常に高いため、感染した時を想定して行動することもおすすめ。
特にタミフルを嫌う子供が多いので、イチゴヨーグルト&チョコアイスを用意しておきましょう。
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